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2015/01/18(Sun)[ その他 ]

ガス湯沸器による一酸化炭素中毒死事件

【事案の概要】
 本件は,アパートの賃借人が一酸化炭素中毒により死亡した事故に関して,その相続人が,ガス器具(湯沸器)の(製造)販売者,ガスの販売(点検)業者,ガス器具の設置(点検)業者及びアパートの賃貸人に対し,不法行為もしくは債務不履行(安全配慮義務違反)に基づく損害賠償を求めた事案です。

【争点・問題点】
 ガス器具販売業者やガス器具設置業者などに責任が認められるかという点でした。
 判決では、本件湯沸器は,強制排気装置が作動しなければ排気あふれ防止装置によって燃焼が停止される仕組みになっていたから,本件湯沸器のはんだ付け部分にはんだ割れが生じたことをもって,本件湯沸器の販売時の瑕疵であると認めることはできないし、また,本件改造による追加配線により安全装置が作動することなく点火燃焼するようになっていたことについては,そもそも販売当時に追加配線が施されたものとは認められず,販売当時に右のような追加配線が施工されることが予見できたとも認められないから,追加配線がされたことをもって,本件湯沸器の販売当時の瑕疵であるということはできない等の理由に販売者に対する賠償は否定されました。
 なお、湯沸器販売者については、昭和62年の同種事故発生後,全国の各営業所に対し,湯沸器による一酸化炭素中毒事故の発生,事故の原因及び対処方法を連絡,通知して周知徹底を図っており,また,販売代理店など継続的な取引関係にある業者のほか,一般のガス器具販売店,修理業者らに対しても,定期もしくは随時の講習会への参加を呼びかけ,あるいは業者の自主的な研修会に参加し,本件のような改造行為の危険性につき注意を喚起するとともに,これを行わないように指導し,さらに,監督官庁たる通産省,社団法人日本ガス石油機器工業会,高圧ガス保安協会等を通じて,広報活動を行っているのであり,同種事故発生後になすべき注意義務を怠ったとは認めがたいとされました。
 一方、ガス供給業者については、本件湯沸器について2年毎の定期点検を行っていたほか,供給開始時の点検を行っている(この時点で,すでに本件改造がなされていたと推認できる。)から,液石法規則で定める,排気扇にはこれが停止した場合に燃焼器への液化石油ガスの供給を自動的に遮断する装置が設けられていることについての実質的な点検・調査義務があったというべきであり、湯沸器の構造や電気回路についての知識がなくとも,本件湯沸器の電源を遮断することで,安全装置が働かないことを容易に発見することができたこと、仮にその方法について知識がなかったとしても,液石法規則に定められた点検方法については,液化石油ガス販売事業者が自ら習得すべき事柄であり,その知識がないことを免責の理由とすることはできないとして、責任を認めました。

【コメント】
 本件は、全国的な問題になるずっと前に受任解決していた事件でした。受任から解決まで相当の時間を要しましたが、それは刑事事件が先行していて不起訴になるまで、事件資料を入手することができなかったからです。原因が、排気あふれ防止装置が頻繁に作動することから、これをショートカットする細工が器具に施されていたことが判明したため、勝訴することができました。事件当初は、皆目原因がつかめませんでしたが粘り強い訴訟活動により事件解決を果たせました。とにかく粘り強く戦うという弁護士の姿勢が大切だと痛感した事件でした。

【備考】
札幌高等裁判所 平成10年(ネ)第319号 平成14年2月7日判決 判例集掲載事件

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