2008/02/24 (Sun)
医療事故死原因調査一歩後退2008:02:24:11:48:01
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朝日新聞報道によると、・・・医療事故の死因調査にあたる第三者機関「医療安全調査委員会(仮称)」の設立を検討している厚生労働省は20日、事故を委員会に届け出るかどうかの判断を事実上、医療機関に委ねる方針を示した。当初は、医療行為に伴う予期せぬ死亡事故すべてについて届け出を義務づける考えだったが、医療界の反発を受けて方針変更した。厚労省は、届け出の対象を(1)誤った医療で死亡した事案(2)誤った医療かは明らかでないが、医療に起因し、予期せず死亡した事案――とし、該当するかの判断は医療機関に委ねる。ただし遺族が死因に疑問を抱き、委員会に報告した場合は、原則調査に着手する。死亡事故でも医療機関が「過誤によるものではない」と判断すれば、届け出なくてもよくなるため、患者団体などの反発が予想される。・・・とのことである。
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この問題はこれまでも取り上げてきたが、医療過誤によるリスクを誰が引き取るのか、どうやって引き取るのかという問題だ。患者の権利が確立した欧州では、社会全体がそのリスクを引き受け、無過失補償をしているという。責任問題は別として、自然死ではなく、アクシデントと判断されれば補償があるそうだ。
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これに対して、日本は患者が全面的にそのリスクを引き受けている。救済されるのは、自ら裁判を提起するなどして病院側に責任を認めさせる以外にはないということだ。
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患者の側で死因に疑問を抱いた場合には調査するとするが、その疑問を抱けるかどうかが非常に難しいという面がある。上記案を採用するとしたら、死因について解明すべき義務が被告病院にあり、かつ、場合によっては、死因を特定するため病理解剖の提案をし、その実施を求めるかどうかの機会を遺族に与えるべきとされねばならない。死因解明・説明義務を病院に課さねばならないはずだ。
高度な専門技術による医療行為を病院側が提供するという医療契約においては、患者は医療行為を提供する医療機関に対して期待や信頼を寄せる一方、病院は死因を特定するための資料や知見を有しており、当該病院が患者の死因を最もよく知りうる立場にあると考えられるからである。
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多くの医療過誤事件では、解剖が行われていない。患者は適切な病院からの説明がないために、解剖の必要性について思いつかないのが現状だ。

