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2008/06/24 (Tue)

先生は相手方の財産を調べられるんですよね。


 相手方に金員の支払いを命じる判決を得ることと、実際に支払ってもらうことは別の問題だ。ここのところの理解がなかなか難しいし、一般の相談者の方には受け入れがたいもののようだ。

 勝訴判決を得るためには、相手方に責任財産があるということを立証する必要はない。だから、相手方がお金をもっていようともっていまいと判決は下る。問題は、この先だ。相手方が任意の支払いに応じてこない場合には、相手方の財産を押さえて競売にかけてそれを現金に換えたり、預金債権を差し押さえて銀行から支払いを受けたりする他はない。

 不動産は登記制度があり、だれでも登記簿を見ることができるから、相手方が不動産を持っているかどうかはわかりやすいし、それがわかれば競売を申し立てて判決を実現することが可能だ。但し、大抵の場合、判決で金銭の支払いを命じれるような人には、多額の負債があり、不動産にも高額の抵当権が設定されている場合が多い。その場合は、競売しても剰余価値がないから、すなわち、抵当権の被保全債権(たとえば、住宅ローン残債のこと)の金額を競売で売却される価格が届かない場合には、抵当権者に競売を強制することはできないから、競売は無剰余が明らかになると続行できなくなる。

 給与債権は勤務先さえ明らかであれば差押えしやすい財産だ。給与、賞与、退職金の4分の1を押さえることができる。

 不動産・給与以外の財産は第三者からはなかなかその存在が分からないことが多い。預金債権一つとっても、相手方がどの銀行に預金を持っているのかは容易には分からない。依頼者の方で、弁護士は相手方の預貯金、取引先などを簡単に調べられると思っている方が少なくないが、残念ながら、弁護士にそのような強大な権力は与えられていない。与えられているのは国税局など。

 弁護士法23条の2に、弁護士会照会という制度があり、弁護士会から各種団体・企業に様々な照会をすることができるが、最近は個人情報保護法を盾にして、情報を開示しないというところも増えてきている。

 また、動産差押えに期待する人も極めて多いが、家財道具を売却するとして、その価値はたかがしれているし、生活必需品として差押えができないものが大半である。だから動産差押えは殆ど期待できない。

 このため、判決の実現には大きな困難が伴うが、逆に言うと、人に金を貸す時には十分財産があることの調査が必要だし、不足なら財産のある保証人を立てさせるべきということになる。また、交通事故の場合、相手方が保険に加入していなければ賠償金をもらえないということになるから、自己防衛できるタイプの保険に入っておくことが必要ということになる。

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