2008/07/11 (Fri)
東京島・桐野夏生の新作を読む2008:07:11:07:11:05
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桐野夏生の本は、有名企業に勤務する傍ら売春婦をしてた主人公が、外国人に殺害されたというショッキングな事件をモチーフにして、事件の主人公達の内心を深く掘り下げて考えて作られた「グロテスク」を読んだのが最初だった。その後、[OUT]等の代表作を読むようになり、新作が発表される度にチェックをしている。
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毎回、いろいろなことを考えさせてくれる本を発表しているが、今回の本は無人島に複数の人間が漂流し、その漂流された人々がどのような精神状況になり、どのように村社会を構築して、どうやって無人島から脱出するのかというお話である。
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作者は、漂流者の中に唯一女性、但し、うら若き女性ではなく、50近い太った女性が入っているという状況を設定し、その状況の中で男女はどう動いていくのかを描いている。また、アジア系の外国人も同時に流されてきた時、村社会がどのように変化していくか等、思いがけない出来事の発生とそれによって人々の気持ちがどのように揺れ動き、どのように変化していくのか先が読めない展開になっている。
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本の帯広告にもあったように、あっという間に読み切ってしまうほど展開が面白いのだ。是非、一度本屋さんで手にとって読んで欲しい。但し、「青い珊瑚礁」や「ロビンソン・クルーソー」のようにきれいな出来事だけが書いてあるわけではなく、かなりきわどい表現もあるので注意が必要。ちょっと青少年には勧められないかもしれない。
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「グロテスク」の内容に興味があるなら、そのモチーフとなっている「東電OL症候群」「東電OL殺人事件」等のノンフィクションを読んでみるとよいと思う。現実に起きた事件もえん罪事件の疑いがあり一読の価値がある。そして、両者を是非読み比べてみて欲しい。

