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2008/10/22 (Wed)

「先生、とういことはやられ損ということですね!」

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 交通事故や医療事故、傷害事件などの不法行為によって、被害を受けた方の賠償に携わることが多いが、こちらから訴訟をしないと賠償されないという説明や、希望する賠償額が受けられない見込みとなった場合、必ずといって良いほど、被害者の方から聞く言葉が、「先生、結局、やられ損だということですね。」という嘆きの言葉である。

 私は、そのような問いかけがあった場合、ずばり「その通りです。」と答えている。そもそも、身体の痛み、後遺障害を金銭的に換算して賠償してもらうわけだが、お金をもらっても元の身体に戻ることはない。だから、絶対に得をすることはないというのが第1の意味。
 また、被害を受けた者が自ら賠償請求や訴訟をしなければならないというのは、明治以来の我が国の民法の大原則である。被害者だからということを切り札に救済を叫んでいるだけでは、誰も幸運は運んできてくれないのである。天は自ら助くる者を助くというがごとく、被害者であっても、いや、被害を受けた者だからこそ、真摯に賠償を求めて行く姿勢が必要なのだ。そして、その姿勢があればこそ裁判所を説得することができるのである。だから訴訟負担を負っているという意味では、損をしているというのが第2の意味である。

 被害者だからということが余りに先に立つと、目の前の状況が全く見えてこず、状況判断を誤ることになる。たとえば、被害者だから何でもしてもらえると思っていると損害賠償請求権は3年で時効になってしまうこともあるのである。

 不法行為の被害者は絶対に損をしてしまうのだが、その損をいかに最小限の押さえるべく、賠償請求を実現させていくのかが弁護士の使命であろう。但し、金額だけが問題なのではない。解決までの早さや納得の問題もある。

 

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