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2008/11/08 (Sat)

第30回医療問題弁護団研究会全国交流会イン長野~2日目~


 朝9時から2日目のスケジュールがスタートした。
 最初は、「医療過誤とADR」についての講演であった。東京の鈴木利廣弁護士がADRの重要性を熱く語られた。
 ADRに応諾してこない病院が3分の2程度ある。患者側・医療側の代理人が一人ずつ仲裁人となって、医療版ADRが実施されている。東京では、医療側代理人が多数いるという面が、ADRの大きな支えになっている。実は、地方は、医療側弁護士が東京からやってくるというケースが非常に増えている。これはどこの地方でも同じようだ。東京による医療側弁護士の寡占化、独占化である。
 地方では、調停や示談ではなかなか紛争が解決しないという問題がある。これは実際に調停を提起してみての感想だ。東京の代理人だったが、この事案は裁判以外では解決できないからということで、全くとりつく島がなかったことがある。だから、事前の示談交渉で解決しなかった案件を調停や示談斡旋にゆだねてもなかなか解決しないということが多いように思う。
 しかし、医療事故問題にとって、大事なことは苦情処理にどれだけ対応するシステムを作ることだと痛感している。第三者を通じて、互いの誤解を解けば、長引かず、患者・医療側とも、悩まずに済むと思う。これが今年、ロンドン、パリを訪問してみての感想である。
(ADR=Alternative Dispute Resolution とは訴訟によらない紛争解決方法を広く指すもの。紛争解決の手続きとしては、「当事者間による交渉」と、「裁判所による法律に基づいた裁断」との中間に位置する。ADRは相手が合意しなければ行うことはできず、仲裁合意をしている場合以外は解決案を拒否することも出来る。アメリカ合衆国で訴訟の多発を受けてできた制度で、アメリカから日本に輸入された制度である。)

 次に、埼玉弁護団から「分娩監視記録の異常波形見落とし、示談までの当事者の葛藤」という事例報告、富山弁護団からは「内視鏡下第三脳室開窓術で電気メスで止血を試みたところ出血し、緊急開頭術を行ったが脳幹部虚血で死亡したという事例」についての報告、さらに、群馬からは、「子宮外妊娠の破裂による産婦死亡事例」の報告があった。いずれも重大な結果が生じた案件であり、各担当弁護士からは、苦労談が語られた。

 最後に、長野弁護団から「イレウスからの敗血症死をめぐってー医療事故調査委員会の功罪」という報告があり、医療事故調査委員会の果たす役割、そのあり方について議論がなされた。

 集会の最後には、各地の弁護団の活動報告がなされた。次期開催地には、札幌と横浜が候補にあがった。

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