2008/11/11 (Tue)
「司法の崩壊〜新任弁護士の大量発生が日本を蝕む〜」を読んで
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前法務副大臣河井克行衆議院議員が書いた本である。内容は、新司法試験制度の下、弁護士が大量増員され始めている現在、法曹の質が下がってきていることを二回試験の結果などから懸念し、法曹の増員が、競争の激化を生み、法曹の質の向上が図られるということはないと主張する。
その上で、3000人合格を目標とするという閣議決定を見直し、二回試験を厳しくし、受験資格も撤廃する等の提言をしている。
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この本は、最も新司法試験後の法曹養成の現場の情報に精通していた法務副大臣だった現衆議院議員が書いていることに注目すべきだろう。
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弁護士の大量増員は、日本社会がそれまでの規制によって事後に国民の権利を守るという社会から、アメリカ型の、自己責任において弁護士を通じて権利救済を図るという制度に大転換する際に、どうしても必要となった制度である。だから、弁護士増員という波を止めることはできないが、弁護士増員はやがて裁判の増加に結びついていくことになると思う。訴訟社会の誕生である。訴訟社会は小泉政権時代に、選択してしまった道である。
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もし、この流れを見直すことができるとしたら、今だけだろうが、日本社会が既に規制緩和、事後救済社会に転換し終えていることを考えると厳しいかもしれない。
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藤澤久美の「投資信託主義」によると、今までは国が投資先を選んで利息を増やしてくれていたが、今は個人個人で資産をどのように増やすかを選択しなければならない時代のようだ。郵便貯金をしていれば、すなわち、国にお金を預けていれば、黙ってお金が増えていくという時代は終わったということだ。どの会社、どの国に投資をするのが良いのか自分で考えねばならない。
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そのような規制緩和事後救済社会という意識を持っているかどうかで、これから先の生き方がずいぶんと違ってくるはずだ。
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弁護士を増やして、弁護士を利用して自分の権利救済は自分で行えというのが国の姿勢だが、どの弁護士を選ぶかについても国民に委ねている。だから、国民は自分自身の目で良い弁護士かどうかを見極めねばならない。牧歌的な時代は、どの弁護士もほぼ均質で良質だった。しかし、大量増員時代では玉石混淆である。その中から玉石を掴むにはどうしたらいいか。それを国民自身が考えねばならなくなっている。
テレビの大々的なコマーシャルをしているから良い弁護士なのか、大手検索エンジンのスポンサーサイトに載っているから良い弁護士なのか。決してそういうことではないはずだ。弁護士はじっくりと探してみて欲しい。






