2008/11/18 (Tue)
さっぽろ経済11月号・特集事業承継を考える「事業承継と民法上の留意点」
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「事業承継と民法上の留意点」というテーマで、札幌商工会議所発行のさっぽろ経済11月号に、私の書いた記事が掲載された。その内容は以下の通りである。
ご子息やご子女、もしくは親族、あるいは従業員の方に承継させたいのであれば、是非とも、読んでいただきたい記事なので、紹介しておこう。
記
1.事業承継を念頭に置いていない相続法
法律の事など余り気にすることなく、何気なく生きている私たちですが、一旦交通事故被害にあったり離婚問題等に直面したりすると否応なしに法律の存在を意識せざるを得ないことになります。事業承継問題も相続問題も同じです。
2.民法は、戦前の家督制度を廃して、共同相続を貫いて、遺言を残したりしない限り、財産は共同して相続することになっている上、遺留分といって、遺言によってさえも奪えない相続人の権利があるとされています。すなわち、遺産はまさに分割・分散されます。
3.一方、事業承継の場合、承継するのは子どもの一人という場合が殆どです。ですから、事業承継の場合、遺産を分散分割ではなく、集中していくことが必要となります。
4.例えば、工場や社屋などの財産の承継を考えてみましょう。それらの財産が代表者の個人所有の場合、遺言や生前の売買などで事業用財産の分散を防ぐ手段を取らないでいると、数名の子どもに共同相続されますが、その場合、複数の不動産を一つずつ分け合うという訳ではなく、不動産一つずつを相続人で共有する形になり、かつ、その処分については、相続人全員の同意、利用については、過半数の同意が必要となるため、事業承継者の思う通りに利用・処分できないことになります。これを打開するためには、遺産分割協議で共同相続人間でコンセンサスを得るしかありませんが、残念ながら、遺産分割協議には相当長期間の時間がかかります。
また、工場・社屋などの財産を会社保有にしていたとしたら安心かというとそうでもないのです。株式も同じく平等共同相続になります。しかも、一株一株が共同相続ということになるのです。このため、株式の議決権行使も共同になり、その場合、過半数で議決権を同行使するかきまってしまいます。すなわち、相続人3名の場合、事業承継者以外の2名が過半数をとって共闘すれば、事業承継者の意向に反した議決権行使もできる。会社を支配できるということになるのです。
5.事業承継は、このような民法の共同相続の原則では上手くいかないという問題を孕んでいるため、相続の際、事業承継に失敗し、折角の長年築き上げ、培われてきた事業の信用が損なわれて行くことが多いのです。
6.このような問題に対処するため、現在中小企業の事業承継をスムースに行い、経済社会を活性使用という動きが国全体にあります。様々な制度もできています。会社経営者の方には是非一度法律の専門家に相談をしていただきたいと思います。






