2008/11/19 (Wed)
お奨めの一冊vol.1「弱きもの、汝の名は男なり」福岡伸一著2008:11:19:22:26:42
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福岡伸一先生は分子生物学の権威だが、福岡先生の文書は一級品だ。昨年一番面白かった本は、福岡先生の「生物と無生物の間」だが、この本もかなり面白い。今年度のベストワンかもしれない。
どうして、世の中には男と女がいて、どちらが先に出来たのかを考える物語だが、もちろん、分子生物学的視点からの考察であり、本当に面白い。
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例えば、男と女では、平均寿命が大いに違う。日本では、男性79歳、女性86歳。約7年が違う。ロシアでは、女性が72歳で、男性は何と59歳で、13歳も違うのだ。どうしてこのような差が付くのか。
さらに、ガンの罹患率は、55歳当たりからぐーんと差が付き、85才以上では、倍近い差が付くのである。すなわち、10万人当たりのガン罹患率男性3200人程度、女性は1800人程度である。
どうして、男性が女性に比べてこれほど弱いのか。その応えは、遺伝子にある。
あなたは興味が湧かないだろうか。男性ならきっと興味が湧くはずだ。
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例えば、日本は単一民族かという最近話題の時事問題にも、DNAレベルでは容易答えがでる。
男性のY染色体を分類していくと、アフリカの一地方の人々から発生していることが明らかになっている。そして、その遺伝子が変異を繰り返していくたびに、時系列で区別することができる。そうすると、アフリカから出て行った民族がどのような旅をしてどこに居着いたかを知ることができる。このようなDNAレベルでの分析をして考えてみると、日本人は、旧石器時代に入ってきた人類、弥生時代に入ってきた人類、そして、縄文人のDNAが今でも混成しているということが判明している。すなわち、日本列島は、派生した3つの人類が大陸の東の果てで、もう一度落ち合ったという特殊な場所なのである。その意味で言うと、「日本列島こそが、人種のるつぼといえる。」このように遺伝子レベルでいうと議論で対立するのがばからしく思えてくることも多いのである。
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科学の話をここまで面白く知的好奇心を煽りながら展開しつつ、最後には哲学的な考察までに至る展開は、「生物と無生物の間」と全く同じ。「生物と無生物の間」を紹介した際、読んでみたけども難しくて分からなかったという感想が多かったが。難しいところは、飛ばしても構わないと思う。是非、読んでみて欲しい。
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トビウオが他の魚と決定的に違うところはどこか。どうして、男女が必要なのか。がんとはいったい何なのか。・・・・いろいろ考えてみて欲しい。
一冊820円光文社新書から。
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お気に入りの本と出会った時の喜びは、タイムマシンや異次元ワープできる喜びに似ている。単純な待ち時間の間、別世界に行ってくることが可能にしてくれる。退屈でたまらないつらい移動も病院の待ち時間も何の苦痛にも感じられなくなることができる。

