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2009/06/11 (Thu)

足利事件と人間の弱さ

IMG_0363.JPGのサムネール画像
 足利事件についての報道が連日なされています。
 なぜ無実の人間が自白をしたのか疑問だという声が多いのですが、これは取り調べの実態を知らないからです。弁護士も立ち会えない孤立無援な中で自白を迫られ、自分の言うことが全く聞き入れてもらえないというのは本当に精神的につらいものです。自白をすると不利なことはわかっているが、将来の不安より現実の危機から逃れたいという気持ちが強くなってしまい、例え死刑になる罪であっても自白してしまうことになります。
 それだけ人間というものは弱い存在なのです。

 逆に言うと、警察側もどうしても犯人を挙げなければならないというプレッシャーを受けているということでしょう。罪を犯した者には必ず報復をしなければならない。多少疑わしくても、犯罪を犯したのに罪を免れる人を作ることが恐ろしい。疑問を感じていても、全体の雰囲気に流されてしまう。それも人間の弱さゆえかもしれません。

 よく言われることですが、たとえ真犯人と取り逃がすことになっても、無辜の咎人を作ることを絶対に避けるという方針なのか、冤罪が多少出てもとにかく疑わしい場合には処罰していくのかという方針の二つがありますが、日本の裁判実務は明らかに後者です。

 日本人いは、一旦結論が出た以上、それを振り返って見直すことをしないという気質が強いと思います。日本の裁判実務でも、一度有罪判決が出たら、合理的な証拠があっても再審査をなかなかしません。
 大きな根底には自分たちは誤りを犯す弱い人間なのだという認識が不足していると思います。
 人は誤りを犯すかも知れないという前提に立っていれば、足利事件にせよ、これまでの多数の冤罪にせよ、もっと早く再審が開始されていたといえるのではないでしょうか。

 人は、航空機やビルから落ちても死なない人もいれば、容赦ない他人の一言で自殺してしまうこともあります。人は精神的な弱い存在です。その弱い人間が弱い人を調べたり、裁いたしていているのだと思います。

 追伸アメリカではDNA鑑定のやり直しで多数の冤罪が明らかになっているそうです。

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