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2009/06/17 (Wed)

郵便不正事件報道の危うさ

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 マスコミはこのところ連日足利事件で、えん罪の恐ろしさを報道していましたが、その一方で連日郵便不正事件で、逮捕された女性官僚が容疑を否認しているというのにもかかわらず、あたかもこの女性官僚が不正に関わっていることが間違いがないような報道を毎日繰り返しています。どうしてエリート官僚がこのような犯罪を犯してしまったのかという観点からの報道が多いようです。いかにもマスコミ受けのするストーリーです。

 真相は別にしてこのような報道のあり方について、私は大きな疑問を感じざるを得ません。この被疑者が事件に関与した証拠は部下の供述ということになりますが、部下が取り調べを受けた場合、自分の罪を相対的に軽くするために、上司を首謀者と供述して犯罪に巻き込むというパターンはえん罪の典型例なのです。

 また、本件で果たして、捜索差し押さえは別として、果たしてエリート官僚を逮捕勾留をする必要があったのでしょうか。捜索差し押さえさえすれば、証拠隠滅や逃走のおそれははなかったといえるのではないでしょうか。逮捕勾留のねらいは、社会から隔絶させ、精神的打撃を与え、「自白」を獲得しようとするものでしょう。
 そして、ねらい通り、逮捕の報道や大臣の謝罪報道によって、女性官僚の社会的地位は失われました。

 もし、えん罪であれば、どのように捜査機関や令状を出した裁判所は償うのでしょうか。えん罪だったら、大変なことだという意識をどれだけの皆さんが持っているのでしょうか。

 一方で、えん罪を作り出した日本の刑事手続の問題点を声高に叫びながら、一方で否認事件をあたかも、犯人と断定したかのような報道を繰り返す日本のマスコミは、いかがなものなのでしょうか。これから裁判員制度が始まります。このような事前情報がインプットされた裁判員に被告人が無罪であることを説得するというのは最初からハンデを背負っている作業と言わざるを得ないのではないでしょうか。

 そんな見方を私はしています。

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