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2009/07/10 (Fri)

鉄人28号と鉄腕アトム〜修習給与貸与制度を前に〜

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 私の修習時代は2年間でした。その間、給与をいただいておりました。司法試験に合格すれば、2年間生活の心配をせずに、修習に専念できました。今、司法修習期間の給与が貸与制になろうとしています。来年度合格者からです。

 きっと、多くの市民の方は、弁護士になるのに、国からお金をもらうのはおかしい、貸与するというのも甘いと思っている方が多いでしょうね。それは、多分弁護士の仕事は、多くある職業のうちの1つだという考えからでしょう。何で弁護士になる奴だけが国から給与をもらえるのだという意識があるのでしょう。

 しかし、給与の貸与制には想像以上に大きな問題点を含んでいます。今、ロースクール生は多額の奨学金をもらってぎりぎりの生活をしている方が多いのです。そして、修習生になってからの給与も貸与制となると、弁護士になった時点で、多額の借財を1000万円程度背負ってのスタートとなる場合があります。人間貧すれば鈍すると言いますが、お金に困ったら、倫理観念が鈍ってきます。今まで弁護士が関与してこなかった仕事に手を出すことも考えられます。また、弁護士を金でコントロールしようとする団体も出てくるでしょう。
 経済的に恵まれている人しか受験できない制度になっていくでしょう。以前のように苦学して弁護士を目指すことは困難になるでしょう。

 法曹は、鉄腕アトムのように自分で正義を感じて行動することができることが必要です。リモコンで、どんな人間のためにでも働く鉄人28号のようになってはならないはずです。
 しかし、給与貸与制度の先には、そのような鉄人28号のような弁護士が大量に製造される可能性があります。

 弁護士には様々な権利があり、専門的知識があります。社会正義の実現という枠から、金銭的な困窮によって、一歩はみ出てしまうととてもやっかいなことになります。それこそ何でもあり、手段を選ばない、勝つためには手段を選ばないという時代が来るのかもしれません。

 そして、それをきっかけに弁護士の自治権が失われ、人権擁護の砦も崩壊していくかもしれません。

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