2009/08/26 (Wed)
お奨めの一冊vol.13 福岡伸一著「世界は分けてもわからない」講談社現代新書(780円)
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私の大好きな福岡伸一先生の最新刊です。分子生物学だけに止まらず、それぞれが独立した作品だと思われていたが、実は何等分かにされていた絵画の話、視線とはいったい何かという話、ダイエットの話、ランゲルハンス島の話・・・等、我々が今見ているものは何なのかという哲学的なテーマでエッセイが綴られていきます。ちょっと難解だと思われる方もいらっしゃいませんが、難しい話は読み飛ばしても良いので、是非、一度手にとって読んでみてください。
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例えば、視線の話。どうして人間は視線を感じることができると思いますか。それは、人間の目が光を反射して光り、これを人間が感じることができるからではないかと福岡先生は述べています。猫の目が光るのは網膜にある反射板のせいですが、これは人間の祖先が水の中に棲んでいたことに身につけた特性で、それを人間も持っています。だから、フラッシュで写真を撮ると赤目になるのです。赤目になるのを防ぐカメラの装置とは、予備のフラッシュを浴びせて、一瞬瞳孔を絞って、網膜からの反射を少なくするという仕組みなのです。
そう考えると、人間が視線を感じるのを科学的に理解することができます。そして、人間の光に関する感性のすごさを知るのです。
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この世で島と名の付く中で、最も小さなランゲルハンス島の話も興味深いです。例えば、・・・膵臓の顕微鏡観察を行っていたパウル・ランゲルハウスは、均一な絨毯の中に奇妙な文様が現れる円形の黒点を、大海原に浮ぶ、珊瑚に縁取りされた丸い島々と見立て、それを発表した。21才の時だった。・・・現在人間を苦しめる最もポピュラーな病気となった糖尿病は、ある意味で、飢餓状態に適応していたヒトという生物が一気に飽食の時代に放り込まれた帰結として存在すると言っても良い。不足と欠乏に対して適応してきた私たちの生理は、過剰さに対して十分な準備がない。インシュリンは、過剰に対して足を知るための数少ない仕組みだった。それが損なわれたとき、代わりの因子は用意されなかった。・・・ランゲルハンスは、結核を患い、カプリ島やシチリア島等温暖な地中海の地に転地した。しかし、病状は回復せず、40才で、彼の名を冠した世界最小の島の名を科学者があまねく口にする日が来ることを知ることはついぞなかった。・・・
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様々なはっとするものの見方に気づかさせてくれる本だと思います。






