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2010/01/11 (Mon)

「人間の器量」・福田和也著・新潮新書680円*読書ノート・2010・№2

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 著者は慶應義塾大学環境情報学部教授で、文芸評論家の福田和也先生です。話題の書にもなっています。著者は、現在の日本には器量の大きい人がいなくなったと嘆き、明治から昭和にかけての器量の大きかった人物にスポットを当てて解説していく本です。

 著者が主張するように、確かに、近代日本史における司馬遼太郎の小説がもたらした影響は大きいと思います。司馬遼太郎の本を読むと、酷評されている人物でも、この本では積極的に取り上げられ、複眼的に器量の大きさを検証しています。そこが小気味良いですね。

 大前研一郎が現代の若者はケータイ世代で、ケータイさえあれば、何も要らないと思っている人が多いと嘆いていましたが、まさに軌を一にするような内容です。戦争や貧困と無縁となり、我々は民族としてだめになってしまったのではないかという危機感が背景にあると思います。

 混乱した先の見えない現代社会ですが、景気と不景気は繰り返すもの、歴史は繰り返すものです。将来を見通して生き残っていくためには、先達の器量を学ぶことが必要です。
 大隈重信は、切れ味鋭く、自分の尊敬する人としか話さず、政治から追放されてしまいますが、50才になってから大きく方向を転換し、誰とでも会って話をするようになりました。そして、人望がでて、第二次大隈内閣を設立させたのです。

 著者の見方には、偏りも様々ありますが、歴史書としても見ることが出来るし、ビジネス書としても読める本です。お値段も手頃です。是非、読んでみてはどうでしょうか。

 蛇足・・・歴史上の人物で私が器量が大きいと思っている人は大久保利通です。これも司馬遼太郎の影響かもしれません。「翔ぶが如く」は、西郷隆盛が主人公ではなく、大久保利通が主人公だと思います。
 龍馬人気を決定づけたのも司馬遼太郎の「竜馬が行く」ですね。

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