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2010/01/05 (Tue)

「ソウル・コレクター」ジェフリー・ディーヴァー著・文藝春秋社(2500円)〜読書ノート2010/№1

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 科学捜査の天才リンカーン・ライムのいとこアーサーが殺人の罪で逮捕された。自分はやっていない、とアーサーは主張するも、証拠は十分、有罪は確定的に見えた。しかしライムは不審に思う―証拠がそろいすぎている。アーサーは罠にかかったのではないか?そうにらんだライムは、刑事アメリア・サックスらとともに独自の捜査を開始、同様の事件がいくつも発生していることを知る。そう、姿の見えぬ何者かが、証拠を捏造し、己の罪を他人になすりつけ、殺人を繰り返しているのだ。犠牲者を監視し、あやつり、その人生のすべてを奪い、収集する、史上もっとも卑劣な犯罪者。神のごとき強大な力を持つ相手に、ライムと仲間たちはかつてない苦戦を強いられる…。

 というあらすじだが、「ボーンコレクター」以来8作目のシリーズになります。全作読んでいますが、今回の作品は竜頭蛇尾という感じで、前半の勢いが中盤になくなってしまった感があります。また、今回は、個人データの問題だけに科学捜査も通じない側面があり、設定に苦しさがあったように思います。ただ、良質な小説であることに変わりはありません。

 ジェフリー・ディーヴァーの作品にはあたりはずれがないと思います。その点、ジョン・グリシャムの作品は途中で極端に面白くなくなってしまったのですが、ディーヴァーの作品は質を維持しているといえましょう。ちなみに、グリシャムものでは、マット・デイモン主役で映画化されていますが、「ザ・レインメーカー」が一番面白いです。これは映画よりも小説の方が断然面白いです。ちなみに、ディーヴァーものでは、「ボーンコレクター」が映画化されていますが、原作とイメージが全く違っていて駄目だと思います。リーンカーンライムシリーズは映画化が難しいです。

 この作品は、特に、四肢麻痺で身体を動かせないという設定、科学捜査を駆使して犯人を追い詰めるという設定自体で、このシリーズはほぼ成功しているに等しく、リンカーン・ライムの手足となるアメリア・サックス女性刑事の登場でさらにその面白さは増していると言えます。
■ 
 リンカーン・ライムシリーズの中でこの一冊をと言われれば、私は間髪を入れず「コフィン・ダンサー」を押します。手に汗握る展開は最高ですね。
 リンカーン・ライムシリーズ以外では、手紙や筆跡の分析技術を駆使する「悪魔の涙」、ヒットラー時代のベルリンオリンピックを舞台とする「獣たちの庭園」が絶対のお奨めです。

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