2010/01/27 (Wed)
日弁連会長選挙・山本候補、宇都宮候補の立会演説会*法曹2010:01:27:18:04:00
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今月16日土曜日、札幌弁護士会館で、日弁連会長選挙の立会演説会が行われました。日弁連会長選挙の両候補の演説を聴けば、現在弁護士・弁護士会の置かれている問題について理解できると考えたからです。今回は、いわゆる動員ではなく、自主的に聞きに行きました。残念ながら札幌弁護士会会員からの質問の途中で所用で事務所に戻らねばならなかったのですが、約2時間、じっくりお話を聞かせていただきました。
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法曹人口問題について
現在の2000人体制を減らす方向で、運動していくのか、これを維持しつつ検証していくのか、両候補の間では違いはありましたが、法曹人口の急激な増加がもたらしているひずみが問題となっているのは確かです。
法曹の急激な増加(500人が2000人)に伴って、事件が増加している訳ではありません。事件数はほぼ横ばいです。裁判官、検察官の数は従前と変わりません。そして、裁判所などは裁判官が常駐しない支部などが多数あるのです。また、法律扶助予算も増加していません。
司法改革の眼目は、事前規制社会から事後規制社会という変化に伴い、市民が被害救済を裁判所に求めていくことができることだったはずですが、これでは弁護士が増えるだけで、空回りしているだけです。弁護士との距離は一向に縮まりません。弁護士広告の規制緩和で多くの弁護士が市場に出回っていますが、事後規制のため、品質保証はありません。弁護士会が経営する法律相談センター経由でないので、弁護士会の統制もありません。
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弁護士の品質保証
即独立をする弁護士のために、ケアをするシステムを作るという提案をしている候補がいらっしゃいましたが、それほど新しい弁護士の質の確保が問題として意識されているということでしょう。また、司法修習でかつて行われていた前期修習(前司法修習生を集めたスクーリング・・昔は4ヶ月)の復活や司法修習生の給費生の撤回運動などについての時間が多く割かれていました。
医師には研修中医療に集中させるためバイトなどしなくても良いように給与が支払われますが、法曹では、貸与という形がとられることになりました。このお金は弁護士になってから返済しなければなりません。ロースクールでの借金と司法修習生時代に貸与された給与返還で、弁護士になった時点では多額の負債を背負うことになります。そうすると、資力のある家庭でなくては法曹になれないということにもなりかねません。また、弁護士になると、無理に事件を受けて、借金を返そうとすることもあると思われます。
国が修習生に給与を貸与する一方精力集中義務を課すのは矛盾しているようにも思えます。
既に、法律事務所と依頼者との間の金銭トラブルは増え続けているそうです。
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司法改革に対する取り組み
司法改革を総括すべきという意見やまだ始まったばかりの制度も多いのでもう少し見守るべきだ等の議論がありました。弁護士が増えて、地方都市にも弁護士が定着してきているというのは法曹人口が増えているからでしょう。弁護士が増えることは悪いことではありません。しかし、それに伴って、司法行政が後退しては何にもなりません。
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時代は変わった。
弁護士の世界も変わりました。事前規制で、品質を保証された弁護士を出すため、精鋭の500名に毎年限って合格させてきたのですが、事後規制で、品質は保証できないが、2000名の合格者を世の中に送り出し、問題があれば、事後規制すれば良いという考えでしょう。
もし、これが医療だったら世論は絶対反対するでしょう。でも、弁護士の場合は、特に反対しないのでしょう。それはどうしてか。それはそれだけ法律、裁判の世界が自分の身近にないからでしょう。しかし、これだけ弁護士が世の中に広がっていけば、裁判社会が登場するのはもうすぐです。そして、その時、弁護士の質の大切さ、倫理観の高さが必要なことにはじめて気がつくでしょう。でもその時は既に遅いのです。事後規制社会になって自分の被った被害自分で救済するしかないのに、その救済にかかる弁護士でさえ、自分で品質を確認しないとならない、また、そこで二次的被害を受けるかも知れないということに愕然とするのです。
そのような状況にならないためにどうしたらいいのか。日弁連が、この問題は弁護士業界内部の問題ではなくて、国民の生活に直結する問題だということを多くの市民の方に理解して戴くことが大切だと思います。
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立会演説会では、そのようなことを考えました。投票は2月5日に行われます。

