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2010/03/13 (Sat)

日弁連会長選挙・地殻変動*法曹

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  報道によると・・・・日本弁護士連合会の次期会長選の再投票が十日行われ、仮集計の結果、多重債務問題の第一人者で「年越し派遣村」の名誉村長も務めた無派閥の宇都宮健児氏(63)=東京弁護士会=が九千七百二十票を獲得。現執行部が推す山本剛嗣(たけじ)氏(66)=同=を約千五百票上回り、当選が確実となった。所帯が大きい東京や大阪の弁護士会の主流派が擁立した候補者を、無派閥の弁護士が破るのは異例。十七日に確定、任期は四月一日から二年間。 投票率は63・19%だった。最大の争点の法曹人口問題で宇都宮氏は、司法試験合格者数を年間三千人程度とする政府計画に対し、「千五百人以下」と主張し、弁護士増に危機感を持つ会員の支持を集めた。法曹人口については「司法基盤が整わないまま弁護士だけが増え、地方では若手が十分な訓練を受けずに独立する状況が広がっている。見直しが必要だ」と強調した。・・・・・

 これまでの日弁連会長は東京と大阪の大単位会の意向に、地方が従うという構図で進んできました。いわゆる現執行部が推す候補が連勝してきたのです。しかし、今回、施行部とは関係のない宇都宮候補が当選しました。これは本当に地殻変動が起きたとも思える状況のなのです。法曹人口の急激な増加は、地方の弁護士を直撃しているということでしょう。小さな単位会ほど、宇都宮候補が優勢だったようです。
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 新聞各紙の見方はいろいろですが、共通していたのは、弁護士の増加は不可避である。質の向上は果たさねばならないが、数を減らす方法以外の方法を模索せよ、具体的には、法科大学院の改革が急務であるというということだったと思います。
 弁護士の本音は、弁護士の数の増加自体が過当競争を招いているので是正して欲しいというものでしょうから、そこには大きな意識のずれがあります。
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 しかし、地方の弁護士の立場からすると、徹底的な自由競争、商業主義というアメリカ型弁護士業界のあり方が本当に良いのかという気持ちはあります。地方の弁護士は、刑事弁護や様々な人権活動等地道な活動をしていますが、テレビコマーシャルで全国各地から顧客を電話一本で集めて、地方の顧客がどんどん吸い上げられて行くというのでは、たまらんという気がしていると思います。商業主義の行き過ぎは、やがて社会正義の実現を担う弁護士という理想よりも、ビジネス・商売として弁護士業をとらえる方向に進んでいくことは確実です。

 ロースクール問題は深刻です。今の30%程度の合格率では、ロースクールの教育は試験対策中心にならざるをえません。環境法や労働法の習得、法廷技術、尋問技術などのトレーニングは二の次にならざるをえないのです。それはロースクールの制度設計上、入り口を拡げてしまったためです。法学部をもつ大学には、ロースクールは作らせないとして、数を限定するという方法もあったと思うのです。

 弁護士の数を増やすことは、事後救済型社会に転換するという小泉首相の決断がなされて以降、全ての法制度がその方向で動いています。今更、司法だけが、後戻りはできません。しかし、問題はこのような重要なことが十分国民に理解されないで進められたことでしょう。

 残念ながら、ロースクールの合格率が8割程度になるような見直しがない限り、今の流れは止められないように思います。弁護士が人権活動ができるのは、経済的に安定していることが前提です。生きていくのがやっとという状態では、人権活動をする余裕はありません。

 法曹人口増加の中で、人権活動をどうやって維持していくのか。弁護士の質をどのように維持していくのか。大きな課題です。

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