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2011/01/12 (Wed)

交通事故判例紹介・追突事故に遭った被害者が低髄駅圧症候群(脳脊髄液減少症)の障害を負ったとは認められないとされた事例

IMG_2094.JPG  * 札幌市内のホテルにて  photo by sammy


 ここ数年脳脊髄液減少症の病名を交通事故の事例で数多く見る機会が増えました。しかし、診断名が脳脊髄液減少症であったとしても、その診断名どおりの認定が裁判実務でなされているかというとそうではなく、そこには大きなギャップがあります。また、保険会社の対応も厳しいものが多いと思います。

 判例タイムス1331号に掲載された判例を紹介します。福岡高裁平成22年2月25日判決です。
 事案は、信号待ちで停止中追突されたという自動車事故の被害者が、整形外科、脳外科などに入通院治療を受けてきたが、難治性外傷性頚部症候群、外傷性低髄液圧症候群、外傷性脊髄液漏の障害を受けたとして、加害者に損害賠償を求めた案件です。

 判決では、低髄液圧症候群の医学的知見を基にして、起立性頭痛、体位による症状の増悪、髄液漏れを示す画像所見、ブラッドパッチ治療による症状の改善といった診断基準を満たすかどうかの検討結果からすると、低髄液圧症候群の傷害を負ったとまでは認められないものの、その他にみられる傷害は後遺障害等級12級に該当すると判断して、逸失利益7年分等を含む損害賠償(776万円)を命じています。

 低髄液圧症候群は、外傷によって生じた脊髄からの髄液の漏れによって、髄液が減少し、髄液に浮かぶ脳が沈み込んで、様々な症状を呈すると言われているものです。比較的軽微な交通事故で、X線写真、CT/MRI画像などでは他覚所見がみられないのに、頭部、頚部などの不調を訴え、長期間治療を受けている患者がこの症状であると主張するケースが増えています。

 その背景には、この病名を診断する医師が増えているといことですが、交通事故の解決の実務では、医師の世界でも確立した病気ではないため、厳格に要件をチェックされることが多く、示談交渉レベルでなかなか認められるものではなく、訴訟によって最終解決がなされることが殆どだと思います。

 判例集掲載レベルでは、認めた判例よりも否定された判例が多いようです。このような病名に該当するという場合は、専門的な弁護士に相談した方がよさそうですね。



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