2011/10/09 (Sun)
3.11後のドイツと北海道のエネルギー・北大環境科学院で行われた環境ジャーナリスト今泉みね子氏の講演に行きました。
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講演は、「3.11後のドイツと北海道のエネルギー」と題するものでした。ドイツ在住の環境ジャーナリスト今泉みね子氏(翻訳家・生態学専攻)が、ドイツで体験したフクシマ原発事故後の脱原発へのドイツの大きな方向転換についてのお話を伺いました。ドイツでは、フクシマの原発事故後すぐに大規模なデモが沢山行われ、日本人以上に危機感が国民に広がったそうです。テレビでは、日本のように原発推進側の学者ではなくて、的確に原発の危険性を指摘できる学者らが連日テレビで討論するなどの議論が積み重ねられたというのです。
これに引き替え、我が国ではどうだったでしょうか。京都大学の小出先生のような方は呼ばれず、原子力村の学者が事故の深刻さを緩和する方向でのコメントを発し続けたのではなかったでしょうか。そして、東電側の発表を垂れ流し続けてきたように思います。
日本人の辛抱強さにも脱帽です。これだけの事故が起きてデモがおきなかったのも不思議です。
何度もドイツに行っていますが、ドイツ人が環境意識が特段高いと思っていません。日本人もそれに劣っていないと思います。しかし、決定的なのはコスト感覚の違いだと思っています。自分の払った電気料金が何に使われているのか、税金がどのように使われているのかという意識です。ドイツに比べたら日本人は本当にその意識が足りません。それは源泉徴収という極めて国にとって都合の良いシステムによって飼い慣らされてしまっているせいだと思っています。
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そして、エネルギーの供給を中央集権ではなく地域分散するという発想はドイツの町作りの思想を色濃く反映していると思います。私は東京・首都圏という異常な中央集権が日本のもっとも弱点だと思っています。東京の機能を維持していくために、原発が東北に作られているのを見ても一目瞭然です。東京だけが儲かるシステムを変えていかないとだめです。
そして、もっと知事が自分の住んでいる場所にプライドを持って、愛していかないとだめです。北海道を愛していれば、このすばらしい食糧供給基地を一気にだめにする原発は作るべきではありません。東京の人にとっても北海道は食糧供給として重要なはずです。それを原発でつぶしてはいけません。
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講演の際のメモは以下の通りです。不正確かも知れませんが、講演の模様に一端を知っていただきたくて、記載しておきます。
https://twitter.com/#!/rutosashihakata ツイッターもあります。
・・・・・・以下はメモ
■ ドイツの環境意識が高いのは反原発運動だった。
ドイツ人の環境意識が高まったのは、フライブルク付近のライン川沿いのフランスのヴィールの新原発建設計画への反対運動であった。そこから環境団体、緑の党が誕生し、風力発電、太陽光発電装置、太陽熱利用を目指す市民活動が高まった。
■ 1986年のチェルノブイリ原発事故を契機にして原発政策が進んだ。
すべての政党が環境保護を政策に入れることになる。その後、2000年に脱原発政策が決められた。当時の社会民主党・緑の党の全稼働期間を制限して最後の原発を2020年までに止めることで電力企業と合意し、これを立法化した(2002年)。その一方で、再生可能エネルギー法が成立した。これにより事前エネルギー発電の優遇、促進を始めた。その他、使用済み核燃料を外国の再生処理場に出すことを禁止(05年以後)、初めて原発の定期的な安全検査を実施することとなった。
■ 原発使用延長が決まった。
既存の19基のうち2基が停止したが、09年にキリスト教民主同盟とキリスト教社会同盟、自由民主党が連立政権成立した。原発は再生可能エネルギーへの橋渡しテクノロジーで、地球温暖化阻止に繋がるとして、10年秋に、稼働期間を延長を決めた。再生可能エネルギー発電への奨励弱まる。稼働延長により630億ユーロもうけることとなった。
しかし、延長が決まっても電気料金は安くはならなかった。電力供給は過剰であった。フランスから買っていたということはなかった。
古い原発は建設当時の安全基準にしたがっているので、現在の科学基準水準に適合していない。適合させると膨大なコストがかかるのでペイしない。飛行機落下のリスクにも対応していなかった。
■ そして3.11にフクシマの原発事故が起きた。
メルケル首相は、3月11日の朝、原発賛成者と目覚め、原発反対者として眠りについた。ドイツでは事故後デモが連日あった。全国のべ数十万人変原発でもであり、世論調査の結果、70%以上が反原発となった。日本はソニーキャノンなどのきっちりした国に起きた事故であっただけに、ロシアだからという言い訳はできなくなった。緑の党の支持率の上昇が急激にあがった3月27日に控えた二つの州議会選挙があったことも大きく影響した。
そして、メルケル首相は、80年以前に作った、クリュメル原発の作家月運転即時停止した。バーデンヴュテンベルク州でドイツ発の緑の党の知事が当選した。
原子炉安全委員会が既存の原発の安全性についてフクシマ事故に照らしながら検証し、意見書を提出した。しかし、これは身内で身内をチェックするようなものであったが、その中で、エコインスティテュート、ザイラー博士は「現在の知識、技術水準に照らせば、既存の原発はすべて稼働が許されないはず」と述べている。
倫理委員会をつくり、安全なエネルギー供給のための倫理委員会(大企業の代表、協会関係者も含む)で議論した。環境団体、エネルギー団体等の公開ヒアリングが中継されるなどした。原発企業寄りの意見もあったが、その意見は、10年以内に原発を停止することであった
停止中8基は永久に発電停止、残りは2022年まで暫時停止することをドイツ議会で、賛成85%以上で成立した。脱原発法が成立した。
再生可能エネルギー法の改定は17%から35%までにする。洋上風力発電につては財政援助する。コジェネレーションの奨励、送電網の拡充をする等も決めた。排出権取引でもたらされた金を財源として再生可能エネルギーに利用する。エコ住宅建築に対して税金を優遇する。
■ 残された問題
稼働中の原発の安全性の確保、廃炉のかかるコストがかかる。底なしの金がかかる。高レベル核廃棄物の最終処分場探しが最大の問題。中間貯蔵庫の放射能漏れ、その周囲で小児ガンの増大、水漏れ等。
■ 将来の電力供給問題・電力会社は儲からないシステムは作らない。集中電力供給から、個人や団体による地域分散供給への転換
電力源は22%、20%が再生可能エネルギーである。20GWは原発、風力発電は25GWだが、過大に作られるのが問題。150GWが最大、ピーク負荷は一年に50時間であるから、そこのマネージメントをすればいいはずである。
太陽発電、ガス発電をつくらないのは、電力会社がもうからないからである。
グリーンピースの提言は、残る原子炉の即時停止、原発事故による予測不可能なコストリスクの減少、省エネの膨大なポテンシャルと再生可能エネルギー利用への道をつけ、温室効果ガス作円への投資を増やせる。
太陽光発電の設備容量は7.4GWであるが、原発一基分は17GWであるからその大きさがわかる。太陽熱温水装置が増えてきている。
風力発電は、洋上が大企業のよる発電、地上は農民の発電。地上はもめ事多いという問題がある。
環境省は、38%、連邦再生可能エネルギー連盟47%を2022年までにできるとする。2050年には100%だとする意見もある。
再生可能エネルギーは、雇用を生み出す元となる。サステイナブルな経済に繋がると言われている。個人やグループで行っている。バイオガスは農家、ファンドをつくって発電をする。電力企業は13%しかない。個人やグループによる発電が大事である。民主的な発電。
デザテックという企画がある。4000億ユーロのプロジェクト、北アフリカの砂漠で作った電力を中部ヨーロッパに送電する。
集中電力供給から、個人や団体による地域分散供給への転換が求められるという発想が必要である。
コンビ発電(11カ所の風力の発電、20カ所の太陽光発電、1カ所の揚水発電を組み合わせる方法が取られ始めている。)さらに、先進的なのは再生メタンシステム(過剰電力を、用いて、水素と結合させてメタンガスにして保存し、それをメタンガスとして利用する。再生可能メタンシステムという。)
小型コジェネレーションで在宅家電システムがある。バイオエネルギー村(エネルギーの自給)をする村をつくる。
■ ドイツ人の節電感覚
日本人と大きな違いはない。経済的に跳ね返っていることを考えている。
■ 報道の姿勢
国営放送も含めて、国に対する批判、情報公開も進んでいる。批判的な専門会も沢山出演していた。メルトダウンは生じているとすぐに解説していた。日本のメディアだと、危機感もなく、御用学者ばかり出演させている。市民からの圧力があってはじめて、リベラルな学者が輩出されている。
■ 風力発電所と自然保護
景観保護団体の裏に電力会社がいることがある。鉄塔について反論をしなかった人が反対し始めるという問題もある。
■ 自然エネルギーと民主化
集中型エネルギー供給システムがある限り、一部の企業が圧倒的なパワーを持っていると言える。そこを崩すためには分散型エネルギー供給システムにする。






