主な解決事例

弁護士法人高橋智法律事務所の弁護士 高橋智による主な解決事例をご紹介いたします。

採血時針刺事故後遺障害訴訟

時期

平成26年6月(2014年)

事件の内容

採血時の針刺事故により左外側前腕皮神経が損傷し、CRPS(福合成局所疼痛症候群)II型を発症した被採血者が、損害賠償を求め訴訟、その弁護を担当。後遺障害分を含めた請求額の数割程度の金額で、訴訟上の和解が成立した。

針刺事故による神経損傷で、過失や後遺障害発生の有無立証は難しく、請求を断念するケースが多々ある。採血のリスクについては懇切丁寧な説明の必要性が必要であり、被採血者側も認識しておく必要がある。

事件の種類

  • 医療訴訟

異所性甲状腺切除訴訟

時期

平成26年3月(2014年)

事件の内容

喉頭の肉腫を正中頸嚢胞と診断し摘出するも、誤って異所性の甲状腺を摘出された幼児(当時5歳)が、術後検査で甲状腺機能が低下したとして、損害賠償をめぐって訴訟、原告の弁護を担当し和解解決した。

争点の一つが、正中頸嚢胞と異所性の甲状腺の峻別方法はエコー検査で十分かどうかであった。
裁判所は峻別検査を慎重に実施すべきと主張した。

事件の種類

  • 医療訴訟

腰椎椎間関節膿腫切除術過失訴訟

時期

平成25年11月(2013年)

事件の内容

腰椎椎間関節膿腫切除術で手術部位を誤り、患部とは異なる健部の黄色靭帯と椎間関節の一部を切除した後、過失が判明。本来の患部手術を実施した原告である患者は併合して自賠責保険・後遺障害別等級表第11級を主張し、和解勧告により13級という前提で和解した。

争点は後遺障害の程度や将来の症状憎悪の可能性。健康な臓器を失う患者の精神的苦痛は極めて大きく、被害は甚大と主張。主に後遺障害の認定基準は労災を予定し、医療事故はそのまま適用するのは困難な場合は多い。

事件の種類

  • 医療訴訟

ワインに関する管理義務違反

時期

平成24年6月(2012年)

事件の内容

企業の開設するワインセラーに収集ワインを預託したワイン愛好家が倉庫側の不十分な管理よりワインの品質を毀損されたとして、債務不履行または不法行為に基づき訴訟、原告の弁護を担当。裁判所は、ワインを寄託した被告に定温・定湿義務違反があったとして、保管料相当額を損害と判示した。

倉庫側に定温・定湿義務違反があり、それにより本件ワインが毀損したとは認められないが、原告が知っていれば、寄託契約を解約するなどして、保管料を支払う必要はなかったと認められた損害賠償事案。

事件の種類

  • 損害賠償訴訟

鉄棒落下後遺障害訴訟

時期

平成23年7月(2011年)

事件の内容

中学校のグランド内の鉄棒で前回りをした際、鉄棒が支柱から外れ落下した男性(当時50代)が管理者を相手に訴訟し、原告の弁護を担当。裁判所は、事故と後遺症の因果関係が認められるとし、約1,250万円を命じた。

男性は落下の際に負った首のケガが元で、後に両手のしびれや筋力低下などの後遺症が生じていた。事故12年を経て、後遺障害が発症したことに損害賠償責任が認められた事例。

事件の種類

  • 損害賠償訴訟

レーザー治療説明義務違反訴訟

時期

平成23年3月(2011年)

事件の内容

両腕の刺青を残らない程度に除去するため、レーザー治療を受けた女性(当時20代)が刺青の跡がはっきり判る程度に残ったとして、施術したクリニックの説明義務違反として訴訟、原告の弁護を担当。裁判所は慰謝料約60万円を認定。

美容形成外科で問題となるのが「説明義務違反」。本件でも主要な争点となった。

事件の種類

  • 医療訴訟

診療報酬詐欺事件

時期

平成21年2月(2009年)

事件の内容

診療報酬を架空請求し、診療報酬事務代行会社社長と共謀し約920万円をだまし取ったとして、詐欺などの罪で問われたクリニック院長の弁護を担当。一審、二審ともに無罪判決を受け、無罪が確定した。

平成18年(2006)、診療報酬事務代行会社社長らと共謀したとして逮捕。140日間にわたり拘置され、同クリニックも5カ月間閉鎖。詐欺罪で有罪確定していた代行会社社長の供述は「不自然で信用できない」と裁判所は判断。控訴審でも支持された。なお、後年、院長が病死したのは痛恨の極みであった。

事件の種類

  • 刑事事件

旧拓銀特別背任事件

時期

平成18年8月(2006年)

事件の内容

自己保身目的で回収の見込みがない企業に融資したとして、旧北海道拓殖銀行の元頭取2人と融資先の元社長が特別背任罪で逮捕された事件の裁判で1被告、1名の弁護を担当。

平成9年(1997)11月、北海道唯一の都市銀行だった北海道拓殖銀行が破たんし、3年後に逮捕、起訴された。平成15年(2003)の一審で裁判所は全員無罪の判決を言い渡すも、平成18年(2006)の控訴審で裁判所は破棄自判の実刑判決。平成21年(2009)、最高裁判所は上告を棄却、二審判決が確定した。

事件の種類

  • 刑事事件

マンションからの眺望権侵害訴訟

時期

平成16年12月(2004年)

事件の内容

眺めの良さを売り物にしたマンションを分譲しながら、その付近に別の高層マンションを建設した行為が信義違反にあたるとして、先に建ったマンションの住民らが損害賠償を求めた訴訟で原告の弁護を担当。裁判所は同社に信義則上、眺望を害さないよう配慮する義務があったとして225万円の賠償を命じた。

マンションからの眺望が保護法益となるか、が大きな争点となった。

事件の種類

  • 損害賠償訴訟

パチンコ営業侵害訴訟

時期

平成16年10月(2004年)

事件の内容

パチンコ店を建設中だった業者が、出店阻止の目的で予定地近くに児童公園を新設されたとして、パチンコ店7業者と公園の寄付を受けた法人を相手に損害賠償を求めた訴訟の控訴審で原告の弁護を担当。裁判所は平成16年(2004)に約10億円の賠償を命じた一審判決を取り消し、原告の請求を棄却。最終的に平成23年(2011)に3度の控訴審の末、和解が成立。

地裁→高裁→最高裁→高裁→最高裁→高裁という経過をたどり、和解解決となった。

事件の種類

  • 損害賠償訴訟

町長汚職事件

時期

平成16年1月(2004年)

事件の内容

町長が町の公共施設設計工事にからみ、元会社社長から賄賂を受け取ったとして、収賄と競売入札妨害容疑で起訴された事件で被告の弁護を担当。平成15年(2003)の一審で懲役2年、追徴金350万円の実刑判決を受けるも、控訴審では懲役3年執行猶予4年、追徴金350万円の判決となった。

懲役は1年増えたが執行猶予付きとなった控訴審判決。被告は起訴事実を認め、社会福祉法人に250万円を贖罪のため寄付をした。このような活動の成果として、更正の機会を与えるのが相当との判決が下った。

事件の種類

  • 刑事事件

乳児くわえほ乳訴訟

時期

平成15年12月(2003年)

事件の内容

入院中の乳児(当時生後8カ月)がミルクを飲んでいるうちに呼吸停止となり、両手両足麻痺などの後遺症を負った。その乳児と両親は、ほ乳瓶をくわえさせた看護師が監視を怠ったためとして、地方公共団体を相手に総額約2億円の損害賠償を求めた訴訟で原告の弁護を担当。裁判所は原告の主張をほぼ認め、総額1億3,700万円の賠償を命じた。

医療請求としては、当時の最高額に該当する賠償金であった。

事件の種類

  • 医療訴訟

刑務所内のレクリエーション中の事故に関する安全配慮義務違反訴訟

時期

平成15年3月(2003年)

事件の内容

刑務所内でソフトボールの練習をした際、打球が目に直撃。視力が極度に落ちたとして、元受刑者の男性(当時42歳)が国を相手に約5,000万円の損害賠償を求めた訴訟で、原告の弁護を担当。裁判所は刑務所側の安全配慮義務違反を認め、国に約920万円の賠償を命じた。

その後、控訴審では残念ながら原判決が破棄されて、敗訴となった。

事件の種類

  • 損害賠償訴訟

ガス湯沸器中毒事故

時期

平成14年2月(2002年)

事件の内容

平成4年(1992)に起きたガス湯沸器を原因とする一酸化炭素中毒事故で、札幌市北区に住む男女が死亡。遺族は湯沸器販売業者、設置業者、賃貸人らを起訴し、原告の弁護を担当。控訴審で、裁判所はガス器具点検業者の損害賠償責任があると判決を下した。

後に、一連の事件が問題となったが、当職が担当したのはそれらが問題視される前の段階の事件であった。当時は、他の事件担当者と連携して裁判に臨むことができず、大変苦しい訴訟を強いられたが、何とか勝訴を勝ち取ることができた。事件発生から担当していたので10年以上かけて取り組んだ事件である。

事件の種類

  • 損害賠償訴訟

住民基本台帳コピー流失事件

時期

平成5年6月

事件の内容

住民基本台帳の閲覧用マイクロフィルムを区役所外に持ち出してコピーした後、元の場所に戻す行為が窃盗罪にあたるとして、元名簿業者ら4人が起訴された事件で1人の弁護を担当。裁判所は主犯の2人にそれぞれ懲役2年、懲役1年2カ月の実刑判決を、残り2人に懲役2年執行猶予4年の判決を言い渡した。

情報公開フィルムとはいえ、社会流失は市民に不安を与えた事件だった。国選事件として担当したが、情報自体が保護法益とされる刑法の改正前のことで、世間の耳目を集めた。

事件の種類

  • 刑事事件