コラム

2020.11.21

オリンピックをめぐるあれこれ

ドーピング検査は異議申立で再検査可能だが……

ニュースで有名人の覚せい剤取締法違反が取り沙汰されているが、オリンピックのドーピング検査の場合、仮に陽性反応が出たとしても、選手は異議申し立てができる。採取の際に予備に保管していた尿を再検査してもらえる権利が選手にはある。
では、日本の覚醒剤取締法検査はどうか。尿は原則保管されていることはなく、検査では全量消費されてしまう。つまり予備保管がない。自分の尿から身に覚えがない覚醒剤反応が出ても「もう一度調べてください」とは言えない現実がある。

秀逸な札幌五輪のテーマソング

オリンピックのテーマソングの中で最も秀逸なのは「虹と雪のバラード」である。作曲は名曲「翼をください」の村井邦夫、作詞は元札幌医大教授の河邨文一郎先生。トワ・エ・モアの歌声もハーモニーそしてアレンジも素晴らしい。
特に一番好きなのは二番の歌詞だ。今も記憶に残る。

♪雪の炎に ゆらめいて 影たちが飛び去る ナイフのように
空がのこる まっ青な空が あれは夢? 力? それとも恋

オリンピックの喜びだけでなく、オリンピックが去った後の寂しさを歌った歌詞は、当時、中学生だった私の心象風景でもある「祭りの後」の寂しさを歌詞に取り込んだテーマソングは他にない。ただ、美しい街・札幌が残ったが、未だに利用されないレガシーがあるのも事実である。

課題は目の前にあるのについつい先送り

今やオリンピックは、信じられないお金がつぎ込まれるような国家的行事となっているが、本質的には、民間の団体が経営するイベントに過ぎない。
2020年開催の東京オリンピックでは、予算の負担をめぐって迷走している。予算配分や計画見直しなど、最初から考えていかねばならない問題が山積していたはずだった。しかし、さまざまな軋轢が生じ、未だスッキリしない。
これはオリンピックに限らず、身近な法律問題でも同じことが言える。
早めに相談していれば、すぐに解決できるものもあり、トラブルは未然に防げたのに、何もしようとせず、ただトラブルが拡大してしまったということが多い。早め早めの対処が肝心かもしれない。