コラム

2020.11.20

欧州の春を味わう、ホワイトアスパラガス

日本でアスパラガスといえば、グリーンだが、ヨーロッパではホワイトである。春先にドイツに視察に行く時には、このアスパラガス(シュパーゲル)を食べるのがとても楽しみである。茹でたホワイトアスパラガスも美味しいが、さらに美味しいのがホワイトアスパラガスのスープである。
アスパラガスは何時ヨーロッパに行っても食べられる、というものではない。食べられる季節が限られているのである。
日本では、さまざまな品種改良や保存技術によって、一昔前には期間限定でしか食べることができなかった果物が食卓に並び、食べ物で季節を感じることがなくなってきている。「期間限定」という付加価値がドイツのアスパラガスをさらに美味しくしている。
イタリアに視察にでかけた時、デルタ・ポーという湿地にある灯台で食べたイタリア料理が忘れられない。湿地にたたずむきれいな灯台の下がレストランとなっていて、船でレストランまででかけるのだ。周囲の風景、灯台という風情のある場所で食べたイタリア料理には、「風景」「風情」という付加価値がついていたので、きっと記憶に残るくらい美味しかったのではないだろうか。